削ぎ落とすための遠回り。
シンプルなものほど、ごまかしが効かない。VOLVOスマートキー専用ケースの形は、線も、素材も、構成も最小限。だからこそ、“切り口”ひとつで全体の印象が決まってしまう。
型で抜けば早くて安い。
コバを磨けばツヤが出る。
でも、ツヤが邪魔だった。私たちは、あえてレーザー加工を選びました。処理は面倒。精度が求められ、焼け跡も気を使う。でも、手に入るのは、漆黒のような端面と、整った線の連続性。
そして、この黒さには意味がある。“削ぎ落としただけ”では、ただのそっけなさになる。だから、端面の色まで含めて、「これでいい」ではなく「これがいい」にしたかった。
この非効率な選択が、たしかに残した“質”。
それが、私たちにとっての「デザイン」です。
(なお、ストラップは通常型抜きです。彫刻文字入りモデルに限り、ストラップもレーザー加工しています。)